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当帰
 

当帰とは 山地に自生し、または栽培される多年草、セリ科(学名:Umbelliferae)トウキ(学名:Angelica sinensis (Oliv.) Diels)の根。
中国では甘粛省のものが品質が良く生産量も多いのですが、四川、雲南、陜西などでも作られています。秋の終わり頃に掘り起こし、ひげ根や土を取り除いて天日で半ば乾燥させた後、少しずつ束にして並べじっくりと燻し干しします。使用の際は薄くスライスしたものを使います。
中国医学では、補血(血液を補充する)、活血(血行を良くする)、調経(気の流れを調える)、止痛(痛みを抑える)、潤腸(腸を滑らかにする)の作用があるとされています。
近年の研究では、赤血球の生成を促進し、心筋の貧血を解消し、末梢の血管を拡張させる働きや、コレステロール値を下げたり、免疫能力を高める、肝機能の保護や肝細胞の再生・回復を促進させるなどの作用があることが証明されています。
 
当帰の性質 当帰は、四気(基本的な性質)は温(身体を温める)、五味は甘・辛、帰経(主に作用する内蔵系)は肝・心・脾に分類されています。  
当帰の効能 当帰は、血液を補充し、血行を良くする生薬として古来幅広く使われてきました。民間のことわざに「漢方薬は十中八九、当帰入り」といわれるほど数多くの中医薬に用いられています。応用範囲も広いのですが、まとめると以下のようになります。
  1. 心臓や肝臓などの血液不足(血虚といいます)、貧血に用います。代表的なものとしては『四物湯』があります。また「気」も不足している場合は朝鮮人参やオウギと組合わせた『当帰補血湯』がよく使われます。
  2. 当帰は甘・温の性質のため、血行を良くする多くの滋養薬膳に利用されています。
  3. 血液を補充し、血行を良くし、また月経を調整する作用もあるので婦人科系の病気に対する重要な生薬となっています。さまざまな生理痛・生理不順などの症状に有効で、ほとんど全ての婦人科の中医薬に使われています。冷えて気の流れが滞る(寒凝気滞)生理不順には『当帰紅花酒』などの薬膳が効果があります。
  4. 現在は、血行を良くし痛みを抑える働きを利用して狭心症の発作や血栓による脈管炎の治療に使われています。中国では早くから「当帰注射液」による治療で狭心症や脳血栓に対して良好な成果を収めています。副作用が少なく、特に慢性化した症状に穏やかに効いて急性の発作の発生を防いでいます。
  5. 穏やかな薬効で副作用も無く、その作用からさまざまな食材と組合わせて多様な薬膳料理に使われます。有名なものには唐の時代から伝わる宮廷薬膳『当帰生姜羊肉湯』などがあります。現代の臨床に応用されている薬膳の中で最もよく使われているのが当帰といえます。
 
日本産の当帰 日本産の当帰の起源には、ヤマトトウキ(学名:A.acutiloba Kitagawa)とホッカイトウキ(学名:A.acutiloba Kitagawa vae. sugiyama Hikino)があります。ヤマトトウキは大和地方(奈良県)を中心に古くから栽培されていました。ホッカイトウキは、北海道に自生するエゾヨロイグサとトウキを交配して、寒さに強い品種として改良したもので現在も北海道が主な産地となっています。  
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