各地の名物とされる麺にはそれぞれ、麺にまつわる物語があります。
【三鮮伊麺】
伊尹の母親は長年病で寝込んでいました。彼は母のために卵麺を作り、蒸してから油で揚げておき、自分が家にいなくても母が食べやすいようにしておきました。しかも日持ちも良く、スープも鶏肉や豚骨、海鮮など栄養豊富なものを作りましたので、母親の病気は次第に回復していきました。それで別名、孝子麺と呼ばれています。
現在のインスタントラーメンのような感じですね。
【坦々麺】
四川省でもっとも有名なのが坦々麺です。昔、陳宝宝は麺や材料を担いで町を売り歩きました。それだけでなく、鍋やコンロも持ち歩いていましたので、量や味付けも意のままに、アツアツの麺が食べられたのです。こうしたお客第一の経営が坦々麺の興隆をもたらしたのです。
【嫂子麺】
陝西省の岐山の嫂子麺には、こんな物語があります。
父母を亡くした貧乏学生は、兄夫婦に養われていました。兄嫁(嫂子)は麺作りが得意でしたが、その学生に学問で成功させたいと思い、いつでも本が読めるように、麺に肉や野菜を混ぜて食べやすくし、辛子も加えて食欲が出るようにしました。おかげで学生は科挙の試験に合格したのです。この話を聞いた多くの人は、自分の息子もこれにあやかりたいとこの麺を作りましたが、落第することも多く「嫂子麺」では恥ずかしいと思って単に「肉入り麺」とも呼ぶようになりました。
【酸辛老友麺】
周さんは病気の友人を訪ね、ニンニクなどを使った酸辛湯の麺をふるまいました。友人は食べ終わると全身から汗が出て健康が回復しました。それで「老友麺」と呼ばれるのです。
以上はほんの一例にすぎません。こうした話を知った上で食べると、私たちの生活に溶け込んだ麺も一味違って感じられるでしょう。