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タイトル-湯先生の部屋

食材の組み合わせの話(1)
 

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なぜ組み合わせが重要なのか  
経験の積み重ね

薬膳入門でもお話しましたが、中国医学の理論は陰陽五行の考え方を基礎に、数百年に及ぶ臨床実践の積み重ねから結論づけられています。現代ほど科学技術が発達していない時代に、長期にわたる観察と経験の積み重ねから、人体の構造や機能を解明してきました。気の遠くなるような地道な努力を繰り返しながら、少しずつ私たちの身体の働きやその変化を体系化したのです。

 
薬膳理論も

中医食療学(薬膳の学問名称)も、こうした中国医学の方法論に沿って確立されました。四気五味などで表される食材の性質も、長い時間をかけて次第に整理され現在に伝えられています。
例えば、ある食物は暑い時に食べると誰でも体内の熱が取り除かれると実証されると、その食物は「寒」の性質だと決められます。また、寒い時に食べると誰でも体の芯から温まる食物があれば、それは「熱」の性質だと判断されるという具合です。更には、ある食物を食べると元気が出てくる、よく眠れるようになる、目の疲れが取れる・・・といった食物の働きについても次第に整理され、体系化されてきました。

 
現代科学で証明 こうした薬膳理論は、数百年に及ぶ観察と実践によって裏付けられているのですが、もちろんその時点では食物に含まれるどの成分が有効なのかは分かっていません。ただ、何時、誰が食べても同じ効果があるという経験的に確かめられた事実から判断されたのです。
現在、科学技術の発展に伴い、食物のこうした効能は、自然科学や栄養学などでその原理が解明されつつあります。しかし、事実はそうであってもその理由が分からないというものも、まだまだたくさん残されているのが現状です。
時々「アガリクスは健康に良いそうですが、本当ですか?」といった質問をいただきます。これにはお答えしようがありません。今までお話しましたように、中国医学では経験的に実証されたものでなければ判断できないのです。これから先、長期にわたる臨床実践を経て、アガリクスの性質や働きが実証された時初めて、中国医学での判断が可能となるでしょう。
 
組合せが大切

私たちは普段、一つの食物だけを食べることはありません。一回の食事でも幾つかの食物を同時に食べています。その組み合わせによっては、個々の食物の働きがより活発になることもあれば、互いに効力を打ち消したり、時には人体に有害なものを作り出したりします。
こうした食合せ(くいあわせ)は民間でも「ウナギと梅干」「てんぷらとスイカ」など古くから伝えられていますが、中医ではこれも長期にわたる臨床実践から多くのものを記録しています。
今回はその中から幾つかをご紹介しましょう。


【ホウレン草と豆腐】
この組み合わせは古い医学書にも載っているのですが、詳しい説明はありません。ただ「気の流れが滞り腹痛をおこす」と記されているだけです。
現代の科学では、豆腐に含まれる塩化マグネシウムと硫酸カルシウムが、ホウレン草に含まれるシュウ酸と結合すると、シュウ酸カルシウムやシュウ酸マグネシウムが作り出されることを証明しています。これらの物質は人体に蓄積され、カルシウムの吸収に悪影響を与えるだけでなく、結石の原因ともなってしまうのです。
もちろん、ホウレン草も豆腐も、別々に食べれば人体に豊かな栄養を与える食物であることは言うまでもありません。ただそれを一緒に食べると、思わぬ弊害が生じるということなのです。食物の組合せが如何に大切かということをご理解いただける良い例と言えるでしょう。


【チョコレートと牛乳】
ホウレン草と豆腐の組み合わせと似た理由で相性の良くないものに、チョコレートと牛乳があります。
牛乳には豊富な蛋白質やカルシウムが含まれますが、チョコレートを一緒に食べると、チョコレートに含まれるシュウ酸と牛乳のカルシウムから、体内で分解されにくいシュウ酸カルシウムが生成されてしまいます。せっかくのカルシウムが吸収されないだけでなく、下痢や若禿げの症状を起こしたり、子供の成長発育にも影響を与えます。


【牛乳と砂糖】
牛乳といえば、皆さんの中にも温めて砂糖を入れて召し上がる方もおられるでしょう。これにも注意が必要です。牛乳は加熱している時、果糖と反応して人体に有害な果糖アミノ酸を作り出してしまうのです。
化学反応は種々の条件が揃ったときに起きる特殊な作用ですが、加熱中の牛乳も果糖に対して特別な反応を起こします。したがって、加熱後少し冷めた頃に果糖を加えても全く問題はありません。
このように薬膳では、食材の性質やその組み合わせだけでなく、調理法にもさまざまな配慮をする必要があるのです。

 
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