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私たちは普段、一つの食物だけを食べることはありません。一回の食事でも幾つかの食物を同時に食べています。その組み合わせによっては、個々の食物の働きがより活発になることもあれば、互いに効力を打ち消したり、時には人体に有害なものを作り出したりします。
こうした食合せ(くいあわせ)は民間でも「ウナギと梅干」「てんぷらとスイカ」など古くから伝えられていますが、中医ではこれも長期にわたる臨床実践から多くのものを記録しています。
今回はその中から幾つかをご紹介しましょう。
【ホウレン草と豆腐】
この組み合わせは古い医学書にも載っているのですが、詳しい説明はありません。ただ「気の流れが滞り腹痛をおこす」と記されているだけです。
現代の科学では、豆腐に含まれる塩化マグネシウムと硫酸カルシウムが、ホウレン草に含まれるシュウ酸と結合すると、シュウ酸カルシウムやシュウ酸マグネシウムが作り出されることを証明しています。これらの物質は人体に蓄積され、カルシウムの吸収に悪影響を与えるだけでなく、結石の原因ともなってしまうのです。
もちろん、ホウレン草も豆腐も、別々に食べれば人体に豊かな栄養を与える食物であることは言うまでもありません。ただそれを一緒に食べると、思わぬ弊害が生じるということなのです。食物の組合せが如何に大切かということをご理解いただける良い例と言えるでしょう。
【チョコレートと牛乳】
ホウレン草と豆腐の組み合わせと似た理由で相性の良くないものに、チョコレートと牛乳があります。
牛乳には豊富な蛋白質やカルシウムが含まれますが、チョコレートを一緒に食べると、チョコレートに含まれるシュウ酸と牛乳のカルシウムから、体内で分解されにくいシュウ酸カルシウムが生成されてしまいます。せっかくのカルシウムが吸収されないだけでなく、下痢や若禿げの症状を起こしたり、子供の成長発育にも影響を与えます。
【牛乳と砂糖】
牛乳といえば、皆さんの中にも温めて砂糖を入れて召し上がる方もおられるでしょう。これにも注意が必要です。牛乳は加熱している時、果糖と反応して人体に有害な果糖アミノ酸を作り出してしまうのです。
化学反応は種々の条件が揃ったときに起きる特殊な作用ですが、加熱中の牛乳も果糖に対して特別な反応を起こします。したがって、加熱後少し冷めた頃に果糖を加えても全く問題はありません。
このように薬膳では、食材の性質やその組み合わせだけでなく、調理法にもさまざまな配慮をする必要があるのです。
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