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高血圧
 

現代の社会では、高血圧を患っている人が増え続けています。今では各家庭や身近な人の中に必ず高血圧の患者がいるという状態です。しかし多くの人は高血圧のことをよく理解していないようです。確かに高血圧自体はさほど恐れることはありませんが、血圧が下がらないままでいると、中風や心臓病、腎臓機能の衰弱など、恐ろしい病気にかかる確率が高くなるのです。別名「サイレントキラー」と呼ばれる所以です。


 
なぜ血圧が
高くなるのか
血圧とは、心臓から動脈に送り出される血液が、血管壁に与える圧力のことです。ちょうどポンプが水を射出するときのパイプの壁面にかかる圧力に似ています。血圧の高低は、心臓の拍動によって送り出される血液の量と、血液が流れていくときの血管壁の抵抗力の強さによって決まります。心臓から送る出される血液の量が多く、血管の抵抗力が増加すると血圧が高くなります。
心臓から送る出される血液の量の大小は、心筋の収縮力と拍動のリズム、静脈から心臓に戻る血液の量によって決まります。心筋の収縮力が強まり、拍動のリズムが速くなり、静脈から戻る血液量が増えると、血圧は高くなります。具定例でいいますと
・太っている人は全身に必要量の血液を供給するために心筋の収縮力は強くなります。
・飲酒や喫煙、また興奮状態にあるときは、心臓の拍動が速くなり、送り出される血液量も増加します。
・妊娠中や塩分を摂り過ぎの人は血液全体の量が増加し、静脈から心臓に戻る血量も多くなります。
こうした要素が、心臓から送る出される血液量を増加させ、血圧が高くなる原因となります。
血管の抵抗力は、血管の半径、血液の粘度、血管の弾力性によって決まります。血液の粘度が高くなり、血管の半径が狭くなると、血管に対する圧力が強くなり、血圧は高くなります。例えば血管が1mm狭くなると、血管に対する圧力は16倍になります。したがって、血管が狭くなることは、高血圧の重要な原因の一つといえるのです。血管が狭くなるのは、塩分の摂り過ぎや長期にわたる精神的な緊張状態、肥満、便秘などが原因となります。血液の粘度が高くなるのは、肥満や高脂血症によります。
注意しておきたいのは、収縮期血圧(最高血圧)の変化は心筋の収縮力と拍動のリズムによって決まり、拡張期血圧(最低血圧)は血管の抵抗力の大小によって決まるということです。


 
高血圧と高血圧病 高血圧そのものは、発熱などと同じように病気における症状の一つで、独立した病気とは言えません。医学的には、ある病気によって血圧が高くなった状態を二次性高血圧とよんでいます。
しかし原因不明の「高血圧病」という独立した病気もあります。高血圧は、その原因となる病気を取り除く以外、根本的な治療法はありません。したがって高血圧病は長期に及ぶ薬物や食事の治療を続けなければなりません。


 
恐ろしい合併症 血液が血管内を流れる様子は、管の中を一種の液体が流れ動いていくような感じです。そして管は末端になるにしたがって次第に細くなります。(人体の血管は心臓から遠くなるほど細くなります)
血管には一定の弾力性がありますが、それが小さくなり、血液の流れの圧力が限界を超えると突然血管は破裂します。もし血液の粘度が高まり流れる速度が遅くなると血管壁への圧力は大きくなって血管を破裂し易くさせ、また粘度の高い血液が血管壁に付着して血管を狭め、やがては完全に塞ぐことになります。
血管の病的な変化が内臓に影響を与え、合併症を発生させるに至ります。血圧が高ければ高いほど、血管や臓器に与える悪影響も大きくなります。高血圧の治療は、合併症の発生の予防に大きな意義があります。血圧を低く抑え、血管や臓器に悪影響を与える血圧の急激な変化をなくすようにすることが大切です。
以下、脳、心臓、腎臓、眼底で合併症の具体例を挙げてみましょう。

  1. 高血圧病は脳卒中の第一の原因です。特に収縮期血圧(最高血圧)の高い人は要注意です。過度の高血圧は脳血管を破裂させ、脳出血を引き起こします。高血圧と動脈硬化が脳梗塞の最も一般的な原因です。
  2. 心臓
    血圧の高い状態が続くと、心臓が血液を送り出す際に過度の負担をかけることになり、先ず左心室肥大を引き起こします。最終的には心臓の活動力が衰退し、心筋の貧血・・・狭心症を発生させます。
  3. 腎臓
    長期あるいは重度の高血圧は腎臓の血量に影響を与え、最終的には腎臓を変化させて、細動脈硬化や腎機能不全を引き起こします。
  4. 眼底
    高血圧患者は動脈硬化や、それに関連して網膜の病気を発生し易くなります。網膜虚血性壊死などの可能性があります。



 
高血圧予防法 A.正しい食生活
  1. 塩分は控え目に
    塩分(食塩)の摂り過ぎは人体の内分泌系統に影響を与え、体内のホルモンのバランスを崩します。このため腎臓が尿を作る過程でナトリウムイオンの吸収量が増えて体内の血液の全体量も増加します。
    また末梢血管にも影響を与え、細動脈痙攣や末梢血管の血液の流れを悪くする原因となります。こうしたことによって血圧は高くなります。特に腎機能に異常のある人は、ナトリウムの調整能力が弱いため高血圧になり易くなります。
  2. 栄養バランスを調える
    人体の健康は、摂取する栄養のバランスを基礎としています。正しく組合され調整された食事によって人体は充分な栄養を補給され、気血が充足し、五臓六腑の活動も盛んで、新陳代謝も活発に行われ、生命力が強まり、自然界の変化への適応力や病気に対する抵抗力も強化されます。さらに老化防止や長寿の効果も期待できます。
    人体は、蛋白質、炭水化物、脂肪の三大栄養素が必須ですが、この他に食物繊維、ビタミン、ミネラルも必要としています。特に高血圧の患者はカリウム、カルシウム、食物繊維の摂取に注意しなければなりません。適度なカリウム、カルシウムの摂取はナトリウムの排泄を促進し、合併症の予防や、心臓や脳の血管の病気による死亡率を低下させる効果があります。また食物繊維を充分に摂取すれば、胃腸の蠕動を促進させてコレステロールの排泄を活発にし、便秘を防いで血液の粘度を低く保つことが出来ます。豊富なビタミン、特にビタミンCは、血管を保護し、コレステロールの排泄を促進して血液の循環を改善する作用があります。
B.正しい生活習慣
  1. 精神の安定
    長期にわたり繰り返される過度な精神的緊張や刺激は、高血圧を誘発します。精神的緊張や刺激が強い状態では、大脳中枢の調節作用が乱れ、細動脈の緊張が強まって血圧を上昇させます。また不眠や胃炎、胃潰瘍などを誘発することもあります。
  2. 規則正しい生活
    毎日の生活は規則正しく落ち着いた環境で、過労や怠惰になりすぎないよう注意します。徹夜などは避け睡眠を充分にとって、入浴の際は熱過ぎず長過ぎず、寝る前に足を湯に浸けてマッサージをすると良いでしょう。食事は三回、定時定量にして暴飲暴食は避けます。毎日一定時間、軽い運動を続けることも大切です。
  3. 排便の習慣
    大便が乾燥しやすい人は排便の際、労力が必要です。このため腹部の圧力が増加し、細動脈の抵抗力を高め、精神的にも不安定になります。大便が体内に長く留まっていると毒素や水分を過剰に吸収し、さらに大便が乾燥するという悪循環に陥ります。こうしたことが血圧を上昇させ、高血圧患者の場合、脳の血管が破裂する危険が高まります。
  4. 適度な運動
    適度な運動を続けることは高血圧患者に良い効果を生み出します。肥満の予防や血圧の降下、臓器の損傷を防ぐことになります。ジョギング、ウォーキング、サイクリング、水泳、スキーなど、あまり激しくない有酸素運動が良いでしょう。
  5. 性生活の調整
    適当な性生活は健康にも効果があります。但し、性交時の興奮は血圧を上昇させます。特に飲酒後はその程度が大きくなります。高血圧患者の場合、性生活後に症状が重くなるようでしたら、控えるか停止した方が良いでしょう。
C.血圧降下薬を正しく使う
    合併症を発病していない軽度の高血圧患者(145−95mm以下)の場合、一般的には血圧降下薬は不要です。食事の調整やダイエット、適度な運動、禁酒禁煙、精神の安定などによって血圧を下げることが可能だからです。血圧の水準が高く、合併症を併発しているなど危険性がある場合、また非薬物療法では血圧を正常値に保てない患者には、血圧降下薬を使用する必要があります。但し、薬を服用中も薬に頼るのでなく、食事療法などに注意を払うことが大切です。
 
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