肝臓病
治りにくい病気
日本では肝臓病に関する話題をよく耳にします。
・「肝疾患は、生活習慣病の死因の中で
癌
(
がん
)
・心臓病・脳卒中に次いで第4位を占めています。」
・「肝臓は『沈黙の臓器』と呼ばれ肝臓病の多くは、自覚症状がありません。そのため最近では増加傾向にあり『21世紀の国民病』とまで言われています。」
・「C型肝炎はここまで治る!」
・「身体(からだ)の不調は肝臓を疑え 」
・・・・・
現代医学が高度に発達した現在、ある種の肝臓病は完全に治療可能になりましたが、多くのものは未だ治りにくい病気として慢性化する傾向にあります。
中国の病院では、中医薬と薬膳などの食事療法で飲食を調整することにより、相当な治療効果を得ています。これは脂肪肝や慢性肝炎、アルコール性肝臓病など、幾つかの肝臓病の原因が飲食と密接に関係しているためと考えられます。
肝臓病の
医学的分類
一般的によく見られる肝臓病は、その原因や病気の状態によって数種に分類されています。
1.ウィルス性肝炎
伝染性のウィルスによって肝臓の機能が損害され肝炎の症状が現れるものです。現在わかっているものは、A型・B型・C型・D型・E型の5種ですが、化学的な薬で完全に治療できるのはA型肝炎だけです。
2.慢性肝炎
肝臓の炎症が6ヶ月以上続くもので、実際の病状は十数年、あるいは数十年続きます。最も多く見られる肝臓病です。
3.アルコール性肝臓病
長期にわたる大量の飲酒に起因する肝臓疾患で、近年次第に増加傾向にあります。適正な治療を行わないと、慢性肝炎や肝硬変を起こすことになります。
4.脂肪肝
肝臓内の脂肪の含有量が増加し、肝細胞に脂肪が過度に蓄積され正常の範囲を超えたものです。多くは中医薬や薬膳などの食事療法で飲食を調えることで正常値に戻すことができます。治療を怠ると肝硬変を起こすことがあります。
5.肝硬変
慢性肝炎の結果引き起こされるもので、肝臓癌に変わることもあります。
6.肝臓癌
原発性と継発性の2種があります。原発性は肝細胞自体に悪性腫瘍が発生するもので、継発性は他の臓器の癌細胞が転移して腫瘍を形成したものです。
7.その他
以上の他、薬物による薬物性肝臓病、中毒性肝臓病、遺伝性肝臓病などがあります。
中国医学の
対応法
≪気分を安定させる≫
中国医学では、人間の精神・心理活動は、内臓の活動やその基礎となる気・血と密接に関係していると考えます。特に肝臓との関係は重要で、肝臓病患者の気持ちの変化は、病気の回復に大きな影響を与えます。ゆったりした気分でいると病状の改善に良い効果がありますが、イライラしたり抑鬱の状態では病状を悪化させてしまいます。
多くの肝臓病患者は、病気が長引くにつれて次第に気が重くなり、治療困難な状態になると焦燥感が募り、遂には悲観的な気分になってしまいます。これは病気の回復に極めて悪影響を与えているのです。
≪休息第一≫
肝臓病になったら充分に休息をとる、これは治療の上でも最も重要ですが、自らの健康維持という面でも大事なことです。病状の悪化防止や健康回復の大きな力となります。
良い休息を得るには、必要な休息と活動のバランスを知ることが大切です。個人個人の体質や病状の軽重を考慮して、少しずつ活動量を増やしていくようにします。散歩、軽い体操、太極拳などが良いでしょう。ただし過度な運動は避けましょう。疲れを感じない程度にしておきます。
≪飲食の調整≫
人間は食べ物によって生命を維持しています。そして肝臓病は食べ物によって健康を回復させることができます。飲食物の組合せを調え、体質に合った食材を選ぶことが、肝臓病患者の健康回復の基本といえます。
A.飲食物の組合せの調整
肝臓病患者が最も避けなければならないのが偏食です。一日三回、できるだけ多くの種類の食物を摂るようにします。全体的な栄養を充分に摂ることで肝臓の働きを助けます。
肝臓疾患のときは消化能力も衰えますので、食べすぎにも注意します。甘いものや脂っこい食物の食べ過ぎは、消化しにくいだけでなく肝炎から脂肪肝を形成する原因になります。食事をしっかり節制しないと、肝硬変や病状の更なる悪化という結果を招いてしまします。
B.体質に合った食材
中国医学では、肝臓病患者の体質や病状に合った食材の選択が極めて重要と考えています。食物にはそれぞれ寒涼温熱の性質があり、栄養を補給したり余分なものを取り除いたりという固有の働きがあります。こうした組合せを正しく用いることで肝臓病に対する良好な治療効果を得ることができるのです。
基本的には、できるだけあっさりした食事を心がけ、脂肪分の多いもの、脂っこい食物は避けるようにします。新鮮な野菜や豆腐、豆類、椎茸、キクラゲ、落花生、クルミなどを食べるようにし、主食は白米以外にトウモロコシ、小米(粟米)、小豆、大豆、緑豆など雑穀類も使うようにします。