胃腸障害(胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍)
大都市の
宿命・・・
日本、特に東京など慌ただしい大都市では、24時間営業の店も多くなり、昼と夜の区別が曖昧になりつつあります。同時に、こうした生活環境の中で働く人たちに胃炎や消化器系潰瘍を患う人が益々増え、それに対する薬も溢れるほど売られています。確かにこうした薬は症状を和らげる場合もありますので、これで治ったと思われることもあるでしょう。しかし多くは一時的なもので、根本的な原因である悪い生活習慣が改善されない限り、再発を繰り返すことになります。
こうして胃腸障害は近年、多くの人を悩ましているのです。生活環境に大きな原因があることから、「生活習慣病」「都会病」などとも呼ばれて<親しまれて>いるというわけです。
胃の痛みも
イロイロ
胃炎や消化器系潰瘍の主な症状は胃の痛みですが、詳しく調べてみると痛みの性質や特徴によって4つの形があることがわかります。
1.急性胃炎や胃炎による急性の発作
胃のあたりが突然痛み、吐き気を伴います。症状が重い場合は吐血することもあります。
2.慢性胃炎(急性の胃炎が治りきらないとき、飲食の調整に注意を払わないと再発を繰り返します。こうして次第に慢性の胃炎となります。)
上腹部がうずいたり、お腹が張った痛み、刺すような痛み、焼けるような痛みが多くみられます。また食欲不振やげっぷ、胃酸過多、消化減退などを伴うことがあります。
近年の研究では、萎縮型の慢性胃炎の30%前後が癌に変化することが分かっています。
3.胃潰瘍
消化器系潰瘍の痛みには一定の規則性があります。
食事をすると胃が痛むのは胃潰瘍の場合です。
4.十二指腸潰瘍
食後2〜3時間経って空腹になると痛み、食事をすると痛みが和らぐのは、多くの場合十二指腸潰瘍です。
原因は食習慣
胃炎や消化器系潰瘍の主な原因は不規則な食生活にあります。正常な場合、食べたものが胃と腸で消化されながら通り過ぎるのに4〜6時間かかります。したがって毎回の食事の間隔は4〜6時間空けなければなりません。
お腹の空きすぎや食べすぎ、生ものや冷たいものを摂りすぎたり、激辛食品など胃腸に刺激を与える食品を食べすぎたりという食生活の乱れ、更には自分の体質に合わない食品(例えば虚寒体質の人が生ものや冷たいもの、虚熱体質の人が辛いものなど)を常食する・・・こうして胃炎や消化器系潰瘍になりやすい環境を作っているのです。
ストレスも禁物
人体の消化機能は、精神活動の影響も多分に受けています。過度の精神的な緊張が長く続くと、イライラする、ストレスが溜まるなど「抑鬱」の状態になります。少し専門的になりますが、中国医学ではこの状態を「肝気鬱結」と呼んでいます。イライラ、ストレスなどの感情は肝の気に影響を与えます。そして本来消化活動の中心である脾や胃をコントロールするはずの肝の気がその活動を抑えすぎてしまい、胃炎や消化器系潰瘍の原因となるのです。
現代医学で説明すると、交感神経の過度な興奮が長く続くと消化液の分泌や胃腸の蠕動運動が阻害されて消化活動に異常をもたらすということになります。
近年の調査結果では、高度な精神的緊張が続く仕事に従事している人は、胃炎や消化器系潰瘍の発病率が一般の人の数十倍になっています。
≪胃腸を丈夫にする3つの原則≫
胃炎や消化器系潰瘍の予防と治療には、薬でなく食事療法を用いるのが中国医学の基本的な対応法です。薬によって一時的に良くなることはあっても、薬を一生のみ続けるわけにはいきません。その根本の原因を取り除き、生活習慣を改善しない限り、いずれ再発ということになってしまうからです。 胃炎や消化器系潰瘍を根底から退治して健康な状態を取り戻すには以下の3原則を守る必要があります。
1、 食生活を規則正しくする。
2、 薬膳などの食事療法を続ける。基本的には自分の体質に合った食物を選ぶようにし、体質に合わないものは避けるようにする。
3、 仕事の合間や仕事が終った後は、中医気功、腹式呼吸、散歩などでリラックスするように心がける。