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貧血
 

貧血とは、体内を巡っている血液中の赤血球、ヘモグロビン(血色素)、ヘマトクリット(血液中の赤血球の割合)が正常値より低くなった状態のことをいいます。原因はいろいろですが、WHOの統計によると全世界で30億人が程度の差こそあれ貧血だということで、毎年数千人以上の人が貧血によって引き起こされた病気で亡くなっています。
貧血患者の割合は、男性より女性が多く、またお年寄りや子供に多く見られます。これは貧血が体質と大きな関係があることを物語っています。
貧血の多くは血液の原料となる栄養素の摂取不足や吸収不足により引き起こされます。したがって貧血はある意味では栄養障害の病気であり、その予防・改善・治療は、食事によって血液の原料を補充し体内の活動を正常に維持させるのが最善の方法といえます。


 
貧血の要因 私たちの身体は精密機械のような構造をしていて、血液が全身を巡ることで生理機能が維持されています。その実際の活動を支えているのが赤血球で、これが正常値以下に減少すると貧血になります。
病気によるものなど特殊な原因を除けば、貧血は栄養障害の病気であり、主要な原因は食生活の乱れにあります。貧血予防の食事には、栄養素の摂りすぎや不足をなくし、バランスを保つことが大切です。また、鉄分はヘモグロビンを構成する最も主要な栄養素ですから、鉄分を充分に摂取することも重要です。
「飽食」とか「豊食」の時代といわれる現代の日本で、栄養障害の問題が起こるとは信じられないかもしれませんが、現実に多くの人が不適切な食習慣によって貧血になっているのです。
  1. 朝食抜き
    若い女性の約10%に貧血の症状があります。これは朝食を食べないこととも関係しています。若い女性の中には肥満予防のために、わざと朝食を食べないようにしている人がいます。しかし食事の回数が減ると一回の食事の量が増えてしまい、かえって肥満し易くなります。朝食を抜くことでは肥満の予防にはならないのです。
    朝食を食べないとすると、前日の夕食からその日の昼食まで16〜18時間、食事をしないことになります。これはダイエット効果がないだけでなく、身体にとっては有害ともいえるのです。
  2. 三食のバランス
    一日三食は理想的な食事形式ですが、例えば朝はパンにコーヒー、昼は麺類、そして夕食に肉や脂肪分を主体とした食事という組合せでは、その時々の栄養バランスが乱れ好ましい食事法とはいえません。
    三食それぞれに豊富でバランスのとれた栄養を摂るのが最善です。
  3. 糖分の多い食物の摂り過ぎ
    赤血球を作る蛋白質や鉄分、ビタミンはさまざまな食物に含まれています。したがって偏食は避けなければなりません。ご飯や麺類を主要な栄養源とするのでなく、牛乳や果物なども充分摂るようにします。こうしたものの不足も貧血の原因となります。
    また、コーヒーやお茶ばかり飲むのでなく、牛乳やトマトジュースなどで栄養分を補充し、栄養バランスを保つように注意が必要です。
  4. 加工食品はできるだけ避ける
    ほとんどの加工食品や調理済み食品は添加剤が含まれています。こうした化学物質の刺激を受け続けていると貧血になりやすくなります。またこうした食品にはビタミンやミネラルが不足していますので、貧血の大きな原因となってしまいます。



 
中国医学の
貧血予防飲食法
  1. 種類を豊富に
    「血液を補おうとするときはレバーだけをたくさん食べれば良い」という人がありますが、これは間違いです。確かにレバーには鉄分やビタミンが豊富に含まれていますが、貧血予防の基本は栄養のバランスという点にあります。
    私たちが一日三食の食事を通して摂らなければならない栄養素には、蛋白質、糖分、脂肪、ビタミン、ミネラルが在ります。この5大栄養素を一つの食品で摂取するのは不可能です。栄養バランスを保つためには、豊富な種類の食事を心掛けねばなりません。
    中国医学では、脾胃の消化吸収機能の衰えによる気血の生成不足と貧血は密接に関係していると考えています。このため、脾胃の活動を調え栄養分の吸収を促進させる必要があるとするのです。
    私たちが普段食べている食物の中にも、山芋、ナツメ、龍眼など脾胃の働きを活発にさせるものがあります。この他、アキョウという漢方薬は赤血球やヘモグロビンの生成を促進させる作用が鉄分よりも強いので、貧血の改善には有効です。
  2. できるだけ鉄分を摂る
    鉄分は体内で酸素や二酸化炭素を運ぶ働きがあります。また免疫能力や意識活動にも関係する、人体には必須の栄養素です。特に女性は月経があるので、男性より更に補充に気をつけなければなりません。
    私たちの普段の食事に含まれる鉄分には、体内に吸収されて直接ヘモグロビンの原料となるもの(脂溶性鉄分)と、吸収されたあと一度転化してから利用されるもの(水溶性鉄分)があります。肉や魚に多く含まれる脂溶性鉄分は10〜30%、海草・きのこ・豆類・乳製品などに含まれる水溶性鉄分は2〜10%の吸収率ですが、食後にビタミンCの豊富な果汁飲料を飲むと鉄分の吸収率が高まります。またビタミンC,B2,B6,B12や葉酸、カルシウムを多く摂るようにすると鉄分の吸収量を増加させます。
    中国医学で適切な食材の組合せに注意するのは、栄養素の吸収に大きく関係するからなのです。
  3. 蛋白質も充分に
    貧血の予防を考える場合、鉄分と同様、蛋白質も重要な栄養素です。
    ヘモグロビンは鉄と蛋白質で生成されますので、鉄分不足だけでなく蛋白質の不足にも注意が必要です。
    また私たちの身体は主に蛋白質によって構成されていますので、これが不足すると全身の臓器機能が失調し、体内の活動バランスが崩れてしまいます。このため胃腸の働きが低下して鉄分が充分に吸収されない結果となってしまいます。
    蛋白質は数十種類のアミノ酸で構成されています。ひと口に蛋白質食品といっても、それぞれの食品によって構成するアミノ酸は違っています。こうした中で、人体では生成されないものを必須アミノ酸と呼んでいます。必須アミノ酸は人体に不可欠なものなので食事で補わなければなりません。これを有効に摂取することで人体を構成する蛋白質も優良なものとなるのです。したがって、偏食を避け、肉類・牛乳・卵・魚・大豆や大豆製品など幅広い食品を摂ることが重要です。
  4. ビタミンの種類も多くする
    ビタミンは生命の維持に不可欠な栄養素ですが、大部分は体内では生成されず食物から摂取しなければなりません。貧血の予防や治療には、生命維持に必要なビタミンの他に血液生成作用のあるビタミン(C,B2,B6,B12,葉酸など)を積極的に摂るようにしなければなりません。



 
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