.薬膳の歴史
薬膳という言葉は、1980年頃北京のレストラン「同仁堂」で使われたのが始まりと言われています。言葉は新しいのですが、中身は長い歴史の積み重ねです。中国医学で食療、食補、食養と呼ばれたものが薬膳という名称になり、より多くの人に親しまれるようになりました。 以下、おおよその薬膳の歴史を紹介します
周 (BC1,000〜256)
「周礼」という古典書があります。この中に「食医」という医師のことが書かれているのですが、これが歴史に現れる薬膳の始まりです。 当時、医師は4つの種類に分かれていました食医、疾医(内科)、傷医(外科)、獣医です。その中で最も高いランクにあったのが、食医でした。 食医とは皇帝のための宮廷医です。栄養管理、食材の組み合わせなど季節に応じたメニューを考え、病気には食事療法で治療にあたりました。
また、「神農本草経」という漢方薬のバイブルともいえる本では、食材の分類もなされています。 くこ、(朝鮮)人参、ねぎ、梅、アンズの種、なつめ、蓮の実、しょうが、蜂蜜、はと麦、地黄、竜眼など、 食材、漢方薬が明解に整理分類されています。
元代に中国を訪れたマルコ・ポーロは、当時の薬膳「ねず酒」「大黄酒」「苦茶」などを持ち帰りました。これらは当時のヨーロッパ社会で流行し、現在に至っています。
明・清代になると、食事療法、薬膳、処方に関する理論・手法も百科全書的に豊富になります。この時期には、宮廷の御典医の処方も民間に普及しはじめ、健康、美容、病気予防に寄与するようになります。